手が届くなら親友(3-2)
「なんで怒ってんだよぉ」
「だから、怒ってないって」
僕に擦り寄るのはいいんだけどさ、ここは外なんだよ。周りに人がたくさん居るんだよ。勘違いされたら嫌だ。歩く速度を速めて大輔と距離を置く。それでも擦り寄ってくる。気色悪い。
「怒ってんじゃん」
「……そうかも」
この際、静かになるのならどうでも良かった。
「やっと認めたな〜。このツンデレめっ」
休日で人が溢れかえっている雑踏を大輔と共に突き進む。目的地の総合スーパーが近くなったところで、大輔が愚痴を零した。
「これだから都会は苦手なんだよなぁ。人が歩くスペースがない」
「十分余裕あると思うけど」
僕は生まれてこの方、都会で育ってるから人が大勢居て狭いとか感じたことはない。むしろ歩いてる人が居なかったら不安に駆られる。……今まで意識したことなかったけど
「大輔は中学に上がってからこっちに来たんだっけ」
「そんな大昔に話したことじゃないんだから、ちゃんと覚えてろよ」
大輔は笑って流してくれた。そんな人だから僕は大輔と友達になったんだろう。一番の親友であるのに、まだ恩を返せてないけど。
「都会には慣れた?」
「いんや。ま〜、嫌でも慣れなくちゃいけないけどな」
都会の喧騒でも大輔の声はクリアに聞こえる。僕は生っ粋の都会育ちだから、そういう気持ちはよく分からないや。やっぱり、どこへ行ったって人が居る方が落ち着くと思うんだけどなぁ。
「大輔の生まれ故郷はここより良いとこ?」
そう問いかけた。精悍な顔つきをしている横顔が沈んでいき、鋭さが消えた。大輔は黙り込んで、真一文字に口を結ぶ。もしや、訊いちゃいけないことだった? 無言のまま歩き続けてると、大輔は急に道端へよろつきながら、寄っていき足を止める。僕も及び腰ながらも何とか近づく。全身を緊張させてて、今にも激発しそうだ。問いかけてから終始強張っていた表情を緩めたと思ったら、空を仰いで高笑いし始めた。――僕のせいでまたおかしくしてしまった。大輔の笑いが落ち着いたところで、僕はおずおずと声をかける。
「どうしちゃったの?」
「俺に故郷のことを思い出せって? 無茶なこと言うんじゃねぇよ」
完全に声変わりした低い声が響いた。瞳に生気がない。今にも誰かを襲いそうな目つき。先輩とはまた違った怖さがある。逃げ出したい。でも、全身が束縛されたように身動きが取れない。大輔がこんなにも『自分の感情』を表してることなんて初めてだ。
「翔平は呑気に育ったかもしれないが、俺はそうじゃなかった。考えただけでも反吐が出る。あんなとこ、一生御免だ」
……誰か助けて。そう言いかけて飲み込んだ。助けを求めたところで世間は僕たちに無関心だってこと、さっき思い知ったじゃないか。これは僕がどうにかする問題だ。そう考えてる間にも、大輔は堰を切ったように続ける。
「みんな俺を無視し続けた。友達と遊んでるときに俺がかすり傷一つでもつけたら、親父の鉄拳が飛ぶから。子ども相手なのに容赦もせず、俺に全ての原因があったとしても。御袋もそうだ。難癖を付けて俺の友達を誹謗中傷する。……こんなの過保護を通り越しちまってる」
「大輔」
歪んだ家庭。
そんな過去があったなんて想像もつかない。大輔は円満な家庭に育ってきて、何不自由なく育ってきたのかと思ってた。大輔がこんなにも僕との付き合いを大事にするのは子ども時代の反動――。大輔は俯いて切なそうに息を漏らす。固く握り締められた左手に僕の両手を重ねる。そうすると少しは力を緩めた。
「僕、大輔のこと全然分かってなかった。でもこれで少しは打ち解けられたよね」
言わない。「すべて分かった」なんて、おこがましいにも程がある。これから少しずつ、少しずつ話していこう。まだお互い隠してることもあるかもしれないし。僕が手を離すと大輔は顔を上げた。想像してたのはむせび泣いてる顔。実際は……薄ら笑いを浮かべてた。ある意味、激発したときよりもこわいぞ。
「へっへ〜。引っかかったな」
「は?」
大輔は目を細めてニンマリ笑う。腰が抜けちゃいそうになるのを必死に堪える。今までの全部演技? んなわけ……ないよ。
「無理してる」
「してない」
「じゃあこれは何?」
指を大輔の目元に持っていく。モチっとした肌は涙で濡れていた。
「さ、さわんなよ!」
苛烈に手を払われた。「やっべ、失敗じゃんか」とか言ってる。いつもだったらここで「これは汗だ」とか言うのに。さっきの話、本当なんだ。
「本当の話なの?」
「彩るために一部フィクションも入ってたけど、八割方は本当のことだよ。いや〜、いつやろうかタイミングに困ってたんだ」
「僕にもっと大輔のこと知ってもらおうとしてや」
「そうだよ。もっと俺と話そうよ」
言いきる前に返された。大輔の真摯な瞳に心が奪われる。考えてみれば、僕は自分のことばっかで相手の話なんか真面目に聞いたことがなかった。それは大輔にも先輩にも言えることで、真剣に話を聞くことをまずしてないけど、心から答えた記憶がなかった。自分本位で生きてる。僕は自己中だから、友達が少ない。その数少ない友達にも負担ばかりをかけている。居たら、絶対にウザい友達。そう自覚できてるんだから、改心する。言わないけど。
「うん。大輔のこと、もっと大事にするよ」
「どうしてそうなるかよくワカラナイけど、俺との絆を大事にしてね。そうしないとまた俺、狂っちゃいそうだから」
「大輔が言うと説得力がある」
「でしょ。話した甲斐があったってもんだ。これからは俺のこと、かけがえのない『親友』って呼んで。マジで」
「それはやめとく」
「えぇ〜。超ショック」
大輔はああ見えて案外、僕の心を見抜いてたのかもしれない。大輔は僕のことを「知人」だと決め込んでたことに感づいて、今日のことをやったのかもしれない。大輔が僕のことを『親友』だと言ってるように、僕も大輔のことを『親友』だと認識させるために。……考えすぎかな。
友達と遊ぶのは半ば強制的に止められていた。子ども同士で遊べないなんて残酷だ。そのことを一切話さないで、僕と付き合ってきてた。大輔はもの凄く強いんだろう。僕なんかが付け入る隙がないくらいに。
僕に伝えたときは内心ビクビクと怯えてたはずだ。大輔の過去を知ってしまった以上、僕にももしかしたら親父さんの鉄拳が飛んでくるかもしれない。だから大輔から離れよう、って考えに至ってもなんらおかしくはない。でも、僕は親父さんにどんだけ殴られても退く気はない。それが大輔に返せる最大の恩だから。僕を信用してくれてありがとう、大輔。期待に応えられたよね。
***
家からはちょっと遠いけど、ここは何でも揃ってるから良い。大輔にここに来るって言ったとき「安易」とか言われて軽くショックだった。
総合スーパーの敷地内に入ると、既に人がごった返していた。さすが休日なだけはある。駐輪場を横切って店内に入る。そこで大輔が口を尖らせて口笛を吹いた。
「ひゅう〜。中は涼しいね」
「そうでもないんじゃないかな。人いっぱい居るし」
「冷房があるのとないのとじゃだいぶ違うだろっ」
えぇ〜。人ごみに慣れてる僕でもこの密集度はないと思った。他人との距離が数十センチしかないんだぞ。暑苦しいに決まってるわい。男性なら尚更だ。話してるうちにも歩き続けてエスカレーターの左側に乗った。一段開けて乗ってるのに先頭までずらーっと並んでる。壮観だ。真ん中辺りまで来ると後に乗った大輔が切り出してきた。
「知ってる?」
ベルトを掴む手を反転させて振り向く。
「突然何を言い出すの」
「エスカレーターって片一方に重さが偏ってると、予期せぬことが起こりうるから真ん中に乗るのがいいんだぜ。『エスカレーターは真ん中に立ちましょう』ってポスターを駅で見た」
大輔は「へへん」と繋げて、偉そうに腕組みをした。電話したときも向こうではこんな態度を取ってたんだろうと思わせる。
「へ、へぇ〜。でもそれって迷惑じゃない?」
「確かにな。『世間のメ』があるからさすがの俺でも無理」
さすがのってなんだ、さすがのって。とりあえずエスカレーターから降りる。大輔と手分けしてラバーブレスを探す。
しかし、「世間の目」か。そうだな、今日は十分思い知った。世間がどれだけ他人に興味がないかって。僕も世間と合わせる。大輔もなんだかんだ言って合わせそうだ。先輩は……どうして先輩は世間を気にしないんだろう。自分のことは二の次、そんなこと考えられない。生涯をかけても解くことができなさそうな問題だ。学校では他人のことを二の次にしてるけど、外では逆だ。先輩の本心はどっちなんだろう。
あれ、一階に比べて二階はだいぶ涼しい。これこそ冷房効果だ。辺りを見回すと人はまばらで、密集度が低いのは歴然だ。エスカレーターを使う人があれだけ居たってことは今日は三階で何かやってるのかな。僕には関係ないから行かないけど。
ラバーブレスを求めてレジ周辺を探し回ってると、レジから程遠い場所で大輔が手を振ってるのが見えた。赤いTシャツで良かった。そうじゃなかったら気づかなかったと思う。僕は小走りでその場所へと向かった。
「だから、怒ってないって」
僕に擦り寄るのはいいんだけどさ、ここは外なんだよ。周りに人がたくさん居るんだよ。勘違いされたら嫌だ。歩く速度を速めて大輔と距離を置く。それでも擦り寄ってくる。気色悪い。
「怒ってんじゃん」
「……そうかも」
この際、静かになるのならどうでも良かった。
「やっと認めたな〜。このツンデレめっ」
休日で人が溢れかえっている雑踏を大輔と共に突き進む。目的地の総合スーパーが近くなったところで、大輔が愚痴を零した。
「これだから都会は苦手なんだよなぁ。人が歩くスペースがない」
「十分余裕あると思うけど」
僕は生まれてこの方、都会で育ってるから人が大勢居て狭いとか感じたことはない。むしろ歩いてる人が居なかったら不安に駆られる。……今まで意識したことなかったけど
「大輔は中学に上がってからこっちに来たんだっけ」
「そんな大昔に話したことじゃないんだから、ちゃんと覚えてろよ」
大輔は笑って流してくれた。そんな人だから僕は大輔と友達になったんだろう。一番の親友であるのに、まだ恩を返せてないけど。
「都会には慣れた?」
「いんや。ま〜、嫌でも慣れなくちゃいけないけどな」
都会の喧騒でも大輔の声はクリアに聞こえる。僕は生っ粋の都会育ちだから、そういう気持ちはよく分からないや。やっぱり、どこへ行ったって人が居る方が落ち着くと思うんだけどなぁ。
「大輔の生まれ故郷はここより良いとこ?」
そう問いかけた。精悍な顔つきをしている横顔が沈んでいき、鋭さが消えた。大輔は黙り込んで、真一文字に口を結ぶ。もしや、訊いちゃいけないことだった? 無言のまま歩き続けてると、大輔は急に道端へよろつきながら、寄っていき足を止める。僕も及び腰ながらも何とか近づく。全身を緊張させてて、今にも激発しそうだ。問いかけてから終始強張っていた表情を緩めたと思ったら、空を仰いで高笑いし始めた。――僕のせいでまたおかしくしてしまった。大輔の笑いが落ち着いたところで、僕はおずおずと声をかける。
「どうしちゃったの?」
「俺に故郷のことを思い出せって? 無茶なこと言うんじゃねぇよ」
完全に声変わりした低い声が響いた。瞳に生気がない。今にも誰かを襲いそうな目つき。先輩とはまた違った怖さがある。逃げ出したい。でも、全身が束縛されたように身動きが取れない。大輔がこんなにも『自分の感情』を表してることなんて初めてだ。
「翔平は呑気に育ったかもしれないが、俺はそうじゃなかった。考えただけでも反吐が出る。あんなとこ、一生御免だ」
……誰か助けて。そう言いかけて飲み込んだ。助けを求めたところで世間は僕たちに無関心だってこと、さっき思い知ったじゃないか。これは僕がどうにかする問題だ。そう考えてる間にも、大輔は堰を切ったように続ける。
「みんな俺を無視し続けた。友達と遊んでるときに俺がかすり傷一つでもつけたら、親父の鉄拳が飛ぶから。子ども相手なのに容赦もせず、俺に全ての原因があったとしても。御袋もそうだ。難癖を付けて俺の友達を誹謗中傷する。……こんなの過保護を通り越しちまってる」
「大輔」
歪んだ家庭。
そんな過去があったなんて想像もつかない。大輔は円満な家庭に育ってきて、何不自由なく育ってきたのかと思ってた。大輔がこんなにも僕との付き合いを大事にするのは子ども時代の反動――。大輔は俯いて切なそうに息を漏らす。固く握り締められた左手に僕の両手を重ねる。そうすると少しは力を緩めた。
「僕、大輔のこと全然分かってなかった。でもこれで少しは打ち解けられたよね」
言わない。「すべて分かった」なんて、おこがましいにも程がある。これから少しずつ、少しずつ話していこう。まだお互い隠してることもあるかもしれないし。僕が手を離すと大輔は顔を上げた。想像してたのはむせび泣いてる顔。実際は……薄ら笑いを浮かべてた。ある意味、激発したときよりもこわいぞ。
「へっへ〜。引っかかったな」
「は?」
大輔は目を細めてニンマリ笑う。腰が抜けちゃいそうになるのを必死に堪える。今までの全部演技? んなわけ……ないよ。
「無理してる」
「してない」
「じゃあこれは何?」
指を大輔の目元に持っていく。モチっとした肌は涙で濡れていた。
「さ、さわんなよ!」
苛烈に手を払われた。「やっべ、失敗じゃんか」とか言ってる。いつもだったらここで「これは汗だ」とか言うのに。さっきの話、本当なんだ。
「本当の話なの?」
「彩るために一部フィクションも入ってたけど、八割方は本当のことだよ。いや〜、いつやろうかタイミングに困ってたんだ」
「僕にもっと大輔のこと知ってもらおうとしてや」
「そうだよ。もっと俺と話そうよ」
言いきる前に返された。大輔の真摯な瞳に心が奪われる。考えてみれば、僕は自分のことばっかで相手の話なんか真面目に聞いたことがなかった。それは大輔にも先輩にも言えることで、真剣に話を聞くことをまずしてないけど、心から答えた記憶がなかった。自分本位で生きてる。僕は自己中だから、友達が少ない。その数少ない友達にも負担ばかりをかけている。居たら、絶対にウザい友達。そう自覚できてるんだから、改心する。言わないけど。
「うん。大輔のこと、もっと大事にするよ」
「どうしてそうなるかよくワカラナイけど、俺との絆を大事にしてね。そうしないとまた俺、狂っちゃいそうだから」
「大輔が言うと説得力がある」
「でしょ。話した甲斐があったってもんだ。これからは俺のこと、かけがえのない『親友』って呼んで。マジで」
「それはやめとく」
「えぇ〜。超ショック」
大輔はああ見えて案外、僕の心を見抜いてたのかもしれない。大輔は僕のことを「知人」だと決め込んでたことに感づいて、今日のことをやったのかもしれない。大輔が僕のことを『親友』だと言ってるように、僕も大輔のことを『親友』だと認識させるために。……考えすぎかな。
友達と遊ぶのは半ば強制的に止められていた。子ども同士で遊べないなんて残酷だ。そのことを一切話さないで、僕と付き合ってきてた。大輔はもの凄く強いんだろう。僕なんかが付け入る隙がないくらいに。
僕に伝えたときは内心ビクビクと怯えてたはずだ。大輔の過去を知ってしまった以上、僕にももしかしたら親父さんの鉄拳が飛んでくるかもしれない。だから大輔から離れよう、って考えに至ってもなんらおかしくはない。でも、僕は親父さんにどんだけ殴られても退く気はない。それが大輔に返せる最大の恩だから。僕を信用してくれてありがとう、大輔。期待に応えられたよね。
***
家からはちょっと遠いけど、ここは何でも揃ってるから良い。大輔にここに来るって言ったとき「安易」とか言われて軽くショックだった。
総合スーパーの敷地内に入ると、既に人がごった返していた。さすが休日なだけはある。駐輪場を横切って店内に入る。そこで大輔が口を尖らせて口笛を吹いた。
「ひゅう〜。中は涼しいね」
「そうでもないんじゃないかな。人いっぱい居るし」
「冷房があるのとないのとじゃだいぶ違うだろっ」
えぇ〜。人ごみに慣れてる僕でもこの密集度はないと思った。他人との距離が数十センチしかないんだぞ。暑苦しいに決まってるわい。男性なら尚更だ。話してるうちにも歩き続けてエスカレーターの左側に乗った。一段開けて乗ってるのに先頭までずらーっと並んでる。壮観だ。真ん中辺りまで来ると後に乗った大輔が切り出してきた。
「知ってる?」
ベルトを掴む手を反転させて振り向く。
「突然何を言い出すの」
「エスカレーターって片一方に重さが偏ってると、予期せぬことが起こりうるから真ん中に乗るのがいいんだぜ。『エスカレーターは真ん中に立ちましょう』ってポスターを駅で見た」
大輔は「へへん」と繋げて、偉そうに腕組みをした。電話したときも向こうではこんな態度を取ってたんだろうと思わせる。
「へ、へぇ〜。でもそれって迷惑じゃない?」
「確かにな。『世間のメ』があるからさすがの俺でも無理」
さすがのってなんだ、さすがのって。とりあえずエスカレーターから降りる。大輔と手分けしてラバーブレスを探す。
しかし、「世間の目」か。そうだな、今日は十分思い知った。世間がどれだけ他人に興味がないかって。僕も世間と合わせる。大輔もなんだかんだ言って合わせそうだ。先輩は……どうして先輩は世間を気にしないんだろう。自分のことは二の次、そんなこと考えられない。生涯をかけても解くことができなさそうな問題だ。学校では他人のことを二の次にしてるけど、外では逆だ。先輩の本心はどっちなんだろう。
あれ、一階に比べて二階はだいぶ涼しい。これこそ冷房効果だ。辺りを見回すと人はまばらで、密集度が低いのは歴然だ。エスカレーターを使う人があれだけ居たってことは今日は三階で何かやってるのかな。僕には関係ないから行かないけど。
ラバーブレスを求めてレジ周辺を探し回ってると、レジから程遠い場所で大輔が手を振ってるのが見えた。赤いTシャツで良かった。そうじゃなかったら気づかなかったと思う。僕は小走りでその場所へと向かった。
Home‖Novel
Copyright(C) 2008 らっく All Rights Reserved.